システム導入成功の鍵
システムは出来上がるまでその質が確認しづらく、実際に使い始めてはじめてその使い勝手や価値がわかることが多くあります。そのため、カットオーバーしてからその使いづらさがわかったり、運用に合わないことが判明して、結局「使われないシステム」になってしまうことが往々にして起きています。

そうしたことを避けるために、システムを導入する際には是非以下の6項目を確認してください。


1. システムやパッケージには思想がありますか?

長く活用されるシステムを構築するのに一番大切なのは、システムを貫く「思想」です。システムがカバーする範囲が大きくなればなお更です。システムを支える思想がしっかりとしたものであれば、すべての業務を対象としたプロジェクトであったとしても、状況に応じて一部の部門から始めることもできます。また、状況の変化等によってシステムの一部を変更する必要が出てきたり、新しいサブシステムを追加することになっても、一貫した「思想」が全体としての統一性を保ちます。更に、一貫した思想の存在が社内での理解を促し、システムの定着・活用にも大きく貢献してくれるのです。



2. 確固とした「脊髄」を持っていますか?

お客様や市場・社会の変化に、そして企業自身の組織の変化に、柔軟に対応するスピードが重要であることは誰もが認めるところでしょう。システムがそうした スピードを保ち続けるためには、システムを支える根幹がしっかりと練り上げられていることが非常に重要になります。それは脊髄のようなものです。脊髄から 多数の神経系が伸びていくように、根幹となるシステムがしっかりと構築できていれば、多くのサブシステムがネットワークを介してつながり、有機的に働きま す。そうして構築されたシステムは、柔軟でスピーディーに企業活動を支えることができるのです。



3. テクノロジー・パッケージを主語に選択していませんか?

現在、インフォメーションテクノロジー(以下 IT )は、情報収集・業務効率化などの目的から更に踏み込んだものとなっています。しかし、それらのシステム導入検討の段階で、「どんなツールで実現する か?」というところから考えるアプローチがまだまだ見受けられます。全体構築を検討する際には ERPパッケージを、細分化された業務支援には業務パッケージをといった具合です。これは一見わかりやすく見えますが、業務と密接に連動した柔軟なシステムを構築するためには決して好ましいアプローチとは言えません。システム導入によって何を実現したいのか、現在の資産(既存システム)をどう活用していくのかと いった戦略的なところから入らないと、当初期待していたのとは異なるシステムができてしまう危険性があります。



4. そのシステムは全体と個をきちっと視野に入れていますか?

個人個人が持っている情報を、企業経営の武器とできるのがネットワークでありシステムです。それを高度に完成させるためには、一般論ではなく、その企業にとっての存続・発展の武器となる情報はいったい何なのかをしっかり把握・理解する必要があります。一方で、立派な箱ができても中身が入ってこなければ意味 がありません。システムに提供される情報の精度を確保し、より多くの情報を集めるために、情報を提供する側の立場にたった視点も同様に重要になってきます。そのどちらが欠けた状態で開発を行ったとしても、「使われない」「使えない」システムになってしまいます。



5. 開発・販売会社に「想像力」と「創造力」を感じますか?

企業のシステムを構築するのには、理解力、分析力、表現力が必要です。プロジェクトを納期どおりに進めるための工数管理能力が重要であることは言うまでも ありません。しかし、企業のために最大の働きをしてくれるシステムを作り上げ、定着させていくためには、「想像力(イマジネーション)」と「創造力(クリ エイティビティ)」が不可欠なことは忘れられがちです。ルールどおり、マニュアルどおりに発想し、決められたステップだけでシステムを構築していては、それぞれの企業にとっての新しい価値を生み出すことはできません。



6. 開発・販売会社はパートナーシップを築ける相手ですか?
統合されたバックエンド・フロントエンドの構築という企業全体のシステムを見据えた開発が日常的になるなか、着手時には完成形と認識されていた個々の仕様が、様々な理由で必ずしも最適とは言えなくなることがあります。そこでは、開発に携わる人たちが常にシステムの最適化を意識していることが重要になってきます。このような状況を生み出すためには、企業とITコンサルタント・開発者がお互いを「パートナー」として認識し合う必要があります。「発注者」「ベンダー」と壁を作ってしまうのではなく、「パートナー」 として一歩踏み込んだ関係を築き上げることで、企業にとって真に役立つシステムができるのです。


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