「常に全体像を整理し、時間軸、水平軸双方の観点からバランスのとれた判断をし、我々のビジネスが目指すものに合ったシステムを実現してくれています。」

ヨドバシカメラにとってのITには2つの側面があると考えています。まず、ITはビジネスのインフラストラクチャ、ライフラインであるというとです。電気や ガス、水道のように、いつもあって当たり前で感謝することもないが、なくなってみると非常に困る、といった存在です。こうしたものは、必要だと思ったとき にすぐに手に入ることが重要で、「ニーズが顕在化してから検討しよう」というのでは、生活に大きな混乱をきたしてしまいます。企業にとってのITでも同じ ことが言えます。従業員が行動を起こそうと立ち上がったときに、それをサポートする技術がすぐに手に入れられることが重要です。それがお客様のニーズに迅速にお応えしていくことになるからです。通常の社会においてライフラインのレベルがその社会の生活水準を示すように、企業のITはその企業のビジネス水準を反映すると言えるでしょう 。
次に、ITは、ビジネスを支える道具という側面も持っていると思います。武士の刀のようなものでしょうか。いい仕事をするプロは、いい道具を使っているものです。修行中の人でもいい道具を使うことで、よりいい仕事ができる、ということもあります。「いい道具」は常に最新ものである必要はありません。いつでも 一番いい状態が保たれているということが大事なのです。そして、常に環境の変化に対応できる状態であるべきでしょう。企業にとってのITにも同じことがい えます。社員が仕事をするときに使う道具を、いつもいい状態にしておく。「いい道具がなかったからできませんでした」という言い訳が通用しない環境を創り、維持することが重要だと考えています。
このように企業にとって非常に重要な位置を占めるITも、重要なものだからといって闇雲にすべてに対して同様の時間やコストをかけていくことは間違いです。長期的に使っていかなければならないものなのか、短期間での入れ替えが予測されるものなのか、それぞれのシステムのライフサイクルを考慮に入れる必要があります。また、基盤となるシステムと位置づけられているのか、日々の業務をサポートしていくアプリケーションとしての役割が期待されているのかといった、システム全体のバランスを考慮した視点も欠かせません 。
ITCは、このようなライフサイクルという視点からの時間軸、業務全体からみたバランスとしての水平軸、双方の観点からバランスの取れた判断をし、我々のビジネスが目指すものに合ったシステムを実現してくれています。開発担当なのだからと一線を引いて、目の前にある一つひとつの仕事をただ順番にこなしてくのではなく、常に全体像を整理し、最適なシステム開発を行なうことができるということが、我々がITCと仕事を続けている最大の理由です。
今、ビジネスが向いている方向・変化を理解し、何をどのような優先順位で、どのようなコストをかけてやっていくべきなのかを自ら考えられるITベンダーが求め られています。ITCには、企業のライフラインであり商売道具であるITの基盤作りにますます関わってもらい、同時にその技術力をいかしたアプリケーション作りをしていってもらいたいと思っています 。(談)
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